突撃インタビュー第3回目

「突撃インタビュー3回目」
この「突撃インタビュー」も3回目を無事に迎える事ができました。
そして、初、身内ではなく
この会のアドバイザーでもあり
ご自身が先天性の心臓病患者である
          「猪又 竜さん」です!

*先天性心疾患の啓発・講演活動
*「Living With Heart 〜みんなの生き方〜」
(先天性心疾患についてのYouTube動画の配信)
*NPO法人 親子の未来を支える会
*NPO 法人 患者スピーカーバンク
*日本成人先天性心疾患学会
*全国心臓病の子どもを守る会長野県支部
の活動をされています。

特に「Living With Heart 〜みんなの生き方〜」
(先天性心疾患についてのYouTube動画の配信)は
「先天性心疾患を持つ人が自分らしく生きていける社会になるためにできることをやる」というビジョンのもとに先天性心疾患患者やご家族に参考にしてもらう動画を配信をされています。
心疾患の患者や患者家族だけではなく、生きていく上でとても参考になる動画です。先天性でなくとも、人は病気になります。
ぜひぜひ、ご覧下さい!!
詳細はFacebookのページ「Living With Heart 〜みんなの生き方〜」をご覧下さい。

◯突撃インタビュー! スタート
質問1.自己紹介
         これまでの経歴・病歴
          ご職業、ご家族について
回答:
猪又竜と申します。
完全大血管転位3型という先天性心疾患で生まれ、現在40歳。妻と2人の娘がおります。保険会社で障害者枠で働いております。

質問2.自分が心臓病と知った時の状況と、どう思ったか?誰から心臓病と伝えられたのか?
回答:
生まれつきの心臓病のため、「自分を心臓病と知った時」というのは覚えていません。物心ついた時には知っていましたし、チアノーゼで動けない自分が普通だったので、後天性の方のように「ショック」を受けたり凹んだりすることは全くありませんでした。

質問3.「もうダメかもしれない」と思った事はありますか?
回答:
ありません。
常に「なんとかなるさ」です。

質問4.「もし心臓病ではなかったら…」と思う事はありますか?
回答:
あります。
心臓病でなければ、公園でもっと子供達と走れるな〜とか、槍ヶ岳にも登れるな〜とか思いますが、心臓病でなかったら今のこの幸せはありえないので、そんなに凹みません。
心臓病であったからこそ、今の自分があるのであり、幸せなのです。

質問5.どんなお子さんでしたか?
回答:
よく喋る。とにかく喋る。
体は動かせないが口は動かせる。
「少しだまれ」とよく言われたものです(笑)
質問6.手術室に入る時はどんな気持ちなのですか?
回答:
8歳の時の手術室に入る気持ちは覚えていません。具体的な処置とか死にかけたことはいろいろ覚えているんですけど。
36歳の再手術の際は、「なるようになる!俺の本当の戦いはICUに戻ってきてからだ!」という気持ちですね。8歳の時の壮絶なICUでの記憶はあるので、それを元にイメージトレーニングしてから手術室に向かいました。全く緊張しなくて(妻の方が青ざめてましたけど)、リラックスして自分で手術台に登って横になりました。

質問7.心臓病の先輩として、後輩に1番伝えたい事は?
回答:
自分の病気をしっかり理解して他人に説明できるようになると、君の人生にきっとたくさんプラスになるよ(親は子供に患者教育をしっかりしましょう。患者教育の基本は医師ではなく親です)。
そして、いろいろなことにチャレンジしよう。やってみよう。君の魅力がぐっと上がるよ。

質問8. 
「Living with Heart 〜みんなの生き方〜」の活動をされていますが、きっかけは?
またご一緒に活動されている立石実先生(心臓血管外科医)や落合亮太先生(看護師・准教授)との出会いは?
この会の原動力は?
回答:
落合さんとは、心友会の全国交流集会で。立石さんは再手術の入院中にナンパしました(笑)
数年前の日本成人先天性心疾患学会市民公開講座の後に3人で飲んだんです。で、いろいろな患者のリアルを伝える、そして参考になることをやりたいね。リアルに伝えられるのは動画だね!って盛り上がって、活動を始めました。

質問9.
 「病気や何らかの障害は、一生のうちに誰もが起こりうることです。そんな時、今までできていたことが急にできなくなって、自分らしく生きることができなくなるのはとても辛いことです。
 
病気があってもその人らしく生きていける社会。
子どもに病気があっても産んで育てられる社会。
それが実現すれば、誰もが暮らしやすい社会になるはず…。」
とお話されていますが
それを実現する為に1番必要な事は何だと思われますか?
回答:
子供の頃から、世の中にはいろいろな人がいるという経験値をたくさん積み上げて行くことだと思います。それが障害や難病の認知度を自然に上げ、助け助けられの流れを自然に作っていけると思います。
分離されている環境の中では多様性を認める社会になっていないので、妊婦さんは赤ちゃんに病気がわかると激しい動揺に見舞われる可能性が高くなると思います。
いろんな人がいて当たり前。という意識を子供の頃から持てるようにしにければいけません。

質問10.
講演会をされていますが、
聴いている人の心をつかむ秘訣などはありますか?
講演会で心掛けている、注意している事はありますか?
また、「聞いているのか!」なんて思ってしまう事はあるのですか?
回答:
なるべく自分の事としてとらえてもらうように考えています。先天性の疾患は、聴講者の皆さんがこれからの人生で患ってしまうことはありません。だから他人事の話になりやすい。
「先天性心疾患は100人に1人生まれてくる疾患だから、あなたのお子さん、お孫さんに生まれる可能性もある」と話して、自分ごとに感じてもらいたいと思っています。
講演中に寝ている人もいます(笑)
でもね、そこで腹を立てちゃ本末転倒なんです。「いろいろな人がいて当たり前」って話をしているんだから、寝ている人がいても当たり前。ひどく疲れているかもしれないし、もしかしたら病気をお持ちかもしれないし。

質問11.
「育メン」としてみんなから知られている猪又さんですが、
育児で奥様と対立してもこれだけは譲れない!という事はありますか?
回答:
日本でトップクラスの育メンと自負しております。
「お父さんが最後の砦」ということは守りたいです。嫁さんと対立することはありません。

質問12.
「有給休暇で通院する…」
なんともおかしい現状に対して、打開策があるとすればそれはなんだと思われますか?
回答:
世の中が多様性を考えてこなかった、つまり障害者や難病者とともに会社で働くなんて考えてこなかったわけですから、現状は有給休暇で通院するしかありません。
この先、当事者が訴え、会社や組合に訴え、政治に訴えるしか打開策はないと思います。

質問13.
趣味はなんですか?
回答:
カメラ・写真、アウトドア、古生物学

質問14.
今後の活動や夢について教えて下さい。
回答:
まずは先天性心疾患の認知向上のために、講演、Living With Heartを続けます。そして先天性心疾患を含めた多様性を認める講演を子供達に広げて、どんな子でも地域の学校に通う環境ができたらいいなあと考えています。




猪又さん、貴重なお話をありがとうございました。
私は猪又さんの講演会を拝聴した事がありますが、わかりやすく参考になる事がとても多かったです。お子さんから大人まで、幅広い世代の皆様に是非きいてほしいと思ったくらいです。
総合の授業、会社の新人研修、教員の研修にも
猪又さんの講演会の内容を取り入れてほしい!
大げさではなく、そのくらい必要な事が含まれています。
講演会の資料の中に「取手の壊れたマグカップ」の写真があり、先天性心疾患は完治はなく丁寧に生きる大切さが必要であることを表現されているのには脱帽しました。
講演会の最後に
「今日 お集まりの皆さんは『いろいろな人がいて当たりまえ。あの人はそのままでいいんだ。」という気持ちをもっていていてください。」と締めくくられました。
私の心に強く響く言葉でした。

いつか、この世から「健常者」「障害者」という言葉がなくなる事が私の夢ですが、
猪又さんの活動をこれからも微力ながら応援させて下さい!
またこの会のアドバイザーもよろしくお願い致します。
お忙しい中をありがとうございました。
もしかしたら、猪又さん、第2弾の突撃インタビューがあるかもしれませんが
よろしくお願い申し上げます。
益々のご活躍を御祈りします。

猪又さんのご自分を客観的に見るチカラはすごいと思います。とても大切な事です。

また視野の広さには学ぶ点が多くあります。
手術の時の冷静さ…奥様が青ざめたお気持ちはなんとなくわかります。

またお嬢さん方の楽しいお話も聞かせて下さい。

猪又さんの講演会は必聴です!!

ありがとうござます、猪又さん。
「古生物学」?…また教えてください。
2018年5月3日(木)
猪又 竜さん(国宝松本城とともに)
壊れたマグカップ(講演会の資料に使われている写真を猪又さんより提供していただきました。ありがとうござます!)

旧ホルト・オーラム症候群の会 "ハート&ハンド

最新のHPは https://hos-heart-and-hand.org/ ホルト・オーラム症候群の会を始めた頃の事が中心です ホルト・オーラム症候群の会は この病気の患者様やご家族の交流会の場であり 情報交換や勉強会を主としています *個人情報に関しては以下の通り 約束を厳守できない方には法的手段をとります この会で知り得た情報の公言・拡散等の禁止 尊厳の尊重 暴言等の禁止

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